綾部の実家の近くに、「白髭神社」という小さなお宮さんがあります。パパローの子供の頃から、家族で初詣に行っていた神社で、ふだんも近所の友達と境内でソフトボールをして遊び、「みんなが遊んでくれるので、雑草が生えなくてええわ」と喜ばれていた神社です。
いまは、イチローが、毎年7月に催される夏祭りに行っています。
かつて横須賀に住んでいたときも、近くに「白髭神社」がありました。「しらひげさんとは縁があるなあ」というわけで、家族でお参りに行きましたが、そのとき、綾部の白髭神社について、こんな謂われがあることを思い出しました。
昔、うちの近所の人が、旅人を手厚くもてなしたところ、その人は、近江の白鬚神社(こちらのヒゲは、鬚の字)の人で近江から鯖街道を通って小浜を経由してこの地を通り、綾部の市街地方面へ行く途中ということで、そのもてなしに感謝する印として分社をしてもらったというものです。
というわけで、いつか、本宮である滋賀県の白鬚神社に行かなきゃね、と思っていたのですが、今回の琵琶湖への旅で、ちょうどうまくお参りすることができました。
行ってビックリしたのは、その本宮が2000年の歴史をもつ古い神社だったことです。国道161号線沿いにあって、陸側にも鳥居や本殿がありますが、道路をはさんで湖のなかにも鳥居があって、ちょうどその鳥居の前にいるとき、ボートでお参りに来ているカップルもありました。
古い神社なので、紫式部が父親の越前赴任に同行して、この辺りで京の都を恋しく思う歌を詠んでいて、その歌碑が立っていたり、与謝野鉄幹と晶子夫妻も訪れて歌を詠んでいました。
イチローは、何を感じたかわかりませんが、物書きのパパローとしては、真水のあふれる雰囲気といい、淡海に立つ鳥居といい、子供の頃から「お清ちゃん、ムラちゃん」と親しんだ紫式部の歌碑があることといい、しかも、今年は『源氏物語』の千年紀で、何だか心が洗われるような気持ちになりました。
ママローも、出身地の埼玉県に「しらひげさん」が33ヵ所も分社されており、子供の頃の滋賀県担当といい、しらひげさんといい、深い縁を感じていましたね。ママローとイチローは、お守りを買いました。
ただ、パパローがちょっと気になったのは、琵琶湖と神社の関係です。
というのも、琵琶湖が誕生したのは400万~600万年前のことらしいですが、その場所が、現在の三重県伊賀市辺り。その後、琵琶湖は北上して現在の場所にいるのですが、現在も、年間1センチずつ北上を続けているというのです。そして、100万年後には、若狭湾へ抜けるようで、琵琶湖は、現在もひっそりとほふく前進を続けているのでした。
100万年後、琵琶湖は若狭湾へ抜けるのか。そのとき、白鬚神社はどうなる?
そんなことを考えながら、うちら家族は、琵琶湖がこの先ほふく前進するであろう鯖街道を通って若狭湾へ抜けて帰ってきたのでした。
鯖は通るし、神社も通るし、琵琶湖まで通るという鯖街道。これから、うちら家族もちょっとやみつきになりそうですが、帰り道、イチローはチャイルドシードでぐっすりと眠っていました。
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